【学生向け】学会発表の準備や心構え【まとめ】

研究・実験・勉強

本記事は、現役大学教員である私が学生に知って欲しいと考える 「学会発表の準備や本番での心構え」 について、学会参加前・参加中・参加後に分けて記載しています。

※私のX(Twitter)アカウント「博士の生活講座@hakase_seikatsu」でしたポスト(ツイート)のいくつかを加筆・修正して作成しました。

学会参加前

学会参加が決まったら宿・交通機関をすぐに手配

学会参加が決まったら下記をすぐに行いましょう。

  • 宿を予約(楽天トラベルがキャンセル無料の宿が多くておすすめ)
  • 飛行機はすぐに予約
  • 新幹線は1ヶ月前から予約
  • ランチョンセミナーの事前予約

学会は申し込みから開催日まで期間が空くので、これらを後回しにして忘れがちです。

時期が早くて交通機関の予約がすぐにできない時は、予約開始日をスケジュール帳に書き込みましょう。

学会参加時はランチョンセミナーに事前申し込みできると安心です。予約なしで当日に会場に行っても満席で入れない可能性があります。会場近くにコンビニや飲食店があればまだ良いですが、へんぴな所だと飢えます。充実した学会参加のためにも食事確保は重要です。

海外に行く時は大学に届け出をする

学会でもプライベートの旅行でも、学生が海外に行く時は大学に届け出をしましょう。

有事の際に当該国に学生がいるかを把握するのに役立ちます。届け出の方法は学内向けサイトか教務課で確認しましょう。

自分・大学・日本のためにも忘れずに届け出を。

聴衆に聞いて貰える発表を準備する

学会では聴衆に発表を聞く義務はありません。聴衆が発表を聞くかは発表者次第です。

発表を聞かない理由は沢山あります(例 内容が理解できない、自分の研究に役立ちそうにない、声が小さい、文字が小さい、画像が荒い…)。

万人受けする発表は難しいですが、多くの聴衆が聞きたいと思うような発表とは何かを考えて準備しましょう。

想定質問を考え、答えを用意しておく

学会発表を行う場合は想定質問に対する答えを用意しておきましょう。

「自分が聴衆だったら、この発表にどんな質問をするか?」を考えて、その質問に対する回答を用意します。事前に答えを用意しておけば、質疑応答もスムーズに行える可能性が高いです。

自分が想定できる質問に対しては、事前に答えを準備しておくのがベターです。想定していない質問が来たら、その場で頭をフル回転して答えましょう、

学会発表時に想定質問を考えることは、論文執筆時の助けにもなります。

  • discussion の記載
  • 引用文献リストの作成
  • 査読者への返事

想定質問への回答には、根拠となる出典の情報も合わせて記録しておきましょう。論文執筆時に引用文献を改めて探す手間が省けます。

ポスター発表

遠方の学会のポスターはクロス (布) がおすすめ

遠方の学会に参加する場合は、ポスターはクロス (布) で作成するのがおすすめです。

  • 折りたたんでカバンに入れて持ち運べる (筒を用意しなくて良い、飛行機に乗る時に筒を預けなくて良い)
  • 破れや折り目を気にしなくてよい
  • 保存が楽なので、後輩が参考にしたり、他の勉強会などに流用するのに便利

どうしても綺麗に見せたい写真がある時は光沢紙の方が良い場合もありますが、そうでなければクロスのメリットは大きいです。

パワーポイントでポスターを作る時は小さいサイズで作るのが良い場合も

パワーポイントで学会発表ポスターを作る時は小さいサイズで作るとファイルが小さくて扱いやすいです。

パワポのサイズを実寸 (A0とか) に設定するとファイルサイズが大きくなります。パワポのレスポンスが遅くなりポスター作成効率が悪いです。

画質にこだわる必要がなければ、1/2や1/4のサイズで作って印刷時に拡大しましょう。

短い時間で内容を説明する練習をする

持ち時間が決まっていないポスター発表では、短い時間で内容を説明する練習をしましょう。

1分、3分、5分など各時間でプレゼンする準備をして、本番では聴衆の要望や反応を見ながら適切な長さの時間でプレゼンしましょう。5分の発表準備しかしていないと、ちょっと概要を知りたいだけの人も5分拘束することになります。

口頭発表

発表者ツールが使えない場合を想定した発表練習をする

パワーポイントの発表者ツールをいつでも使えることを期待してはいけません。

会場の設定によっては使えないこともあります。なくても発表できるように準備をするのがベストです。

どうしても不安なら台本を印刷しておきましょう。台本を完璧に暗記していたとしても、心のお守りに紙媒体の台本があると安心できます。

学会参加中

質疑応答の内容をまとめる

学会でされた質問は「誰に・どんな質問をされて・どの様に回答したか」をまとめて、学会後に指導教員と共有できるようにしておきましょう。

学会でされる質問は論文投稿時に査読者もする可能性がある質問です。今後の実験計画や論文投稿にも影響するかもなので、指導する側も共有してくれると助かります。

論文投稿時には下記を意識できるとなお良しです。

  • 同質問への答えを含んだ論文を投稿する
  • 査読者から同指摘をされることを想定し、回答を用意しておく

積極的に質問をする

学会で質問することは、自身の疑問を解決するだけでなく、学会参加者に自分のことを覚えて貰ったり、座長を助けることにもつながります。

フロアから質問が出ないと座長が質問をして場をつながないといけません。自分の専門でない分野の発表で場をつなぐのは大変なことです。

(特に座長が知り合いの時は)座長を助ける意味でも積極的に質問しましょう。

ポスター発表

聴衆が望む時間の長さで説明する

持ち時間が決まっていないポスター発表では、聴衆のニーズに気を配りながら適切な長さの時間で説明しましょう。

ちょっと質問があるだけの人に10分も20分も長々とポスター内容を説明してはいけません。あなたのポスター以外にも見たいポスターはあるかも知れません。まずは簡単に説明、もっと聞きたそうなら追加で説明をしましょう。

内容説明の前に発表時間を宣言するのも良いと思います。「3分ほどで簡単に説明します」と宣言すれば聴衆も安心して聞けます。

「この人いつまで話すのだろう…」と無駄に話が長いヤツと思われないようにしましょう。

学会参加後

学会参加に関連する書類は全て保存しておく

学会参加の証拠になるものは旅費が振り込まれるまで全て取っておきましょう。

事務手続きがトラブった場合、下記があると解決がスムーズになる場合があります。

  • 学会参加証
  • 学会のネームカード
  • 交通機関の半券
  • 宿泊証明証(ホテルのフロントで頼めば貰える)

もし上記書類を捨てていた場合でも、「ネットやアプリでチケットを買った記録」や「クレカの明細」が学会参加の証拠になる場合もあるので諦めないで!

写真をSNSに上げる時は要注意

学会発表のポスターやスライドが映った写真をSNSに上げる時は要注意!

ポスターやスライドには極秘データが含まれている可能性があります。他人の発表はもちろん、自分の発表のポスター・スライドだとしても、所属ラボや共同研究先に迷惑がかかるかもしれません。

SNSの利用は慎重に慎重を重ねましょう。

発表スライドの作成には下記の本が参考になります!

学会参加に関しては下記の記事もご覧ください。

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