【支給 or 自腹?】学生の学会発表・参加の費用の考え方 【その学会参加は経費で落ちますか?】

研究・実験・勉強

 「学会に参加したいけど、費用はどうすればいいの?」学生の皆さんは、こんな悩みを抱えたことはありませんか? 学会発表は、研究の成果を発表し、他の研究者と交流する貴重な機会です。しかし、学会参加には、学会費、交通費、宿泊費など、様々な費用がかかります。この記事では、学生が学会に参加する際に、費用が誰によって負担されるのか、その考え方について解説します。

 「教員の指示で参加する場合」と「自分の意思で参加する場合」に分けて、それぞれの場合の費用負担の考え方や、注意点について詳しく説明します。また、学会費用に関するトラブルを避けるためのアドバイスも紹介します。

 私も学生の頃は「学会費用が支給される場合」と「自腹になる場合」の違いを正直よく分かっていませんでしたが、この記事を執筆している現在は、学生の頃よりは知識と経験があると思います。この記事が学会参加費に関する疑問が解消や、安心した学会参加の助けになれば幸いです。

この記事の記載は私個人の意見です。所属団体等とは一切関係ありません。また、学会の費用の扱いはラボや大学等に寄って異なると思います。(基本的には)所属するラボや大学の規則・制度・考え方に従いましょう。

目次

  1. 基本的な考え方
  2. 教員の指示で学会参加・発表
  3. 学生自身の意志で学会参加・発表
  4. まとめ
  5. 参考記事

1. 基本的な考え方

 学会参加・発表にかかわる費用 (学会年会費・参加費・交通費・宿泊費) が支給されるか自腹になるかの判断基準の1つとして、「仕事として学会に行くかどうか」が挙げられると思います。つまり、仕事として行くならお金が支給されるし、仕事でなければ自腹になります。会社員で例えるなら、遠方で開催される有料セミナーに「業務として参加する」のか「自己投資として自発的に参加する」のかといった所でしょう。

 「仕事として」とは「教員 (ラボ) の指示で」と言い換えても良いかも知れないです。この場合、指示を出す立場の人が学会費用を出す人です。以下、「教員の指示で」あるいは「学生自身の意志で」学会参加・発表する場合に分けて、費用の考え方を説明します

2. 教員の指示で学会参加・発表

 この場合は学生費用は支給されることが多いです。会社員の出張と考え方は同じです。

 仕事 (と同じ扱い) で行く以上、責任が伴います。学会にきちんと参加・発表するのはもちろんのこと、報告書の作成や報告会の実施を求められるかも知れません。

 また学会費用を支給するための手続きのために、大学に提出する書類作成もする必要があります。学会参加を証明する書類やホテルの宿泊証明も必要になるかも知れません。下記の記事も参照してください。

 問題なのは教員の指示で学会参加・発表するが、その費用が出ない場合です。会社員で例えると、仕事で出張するのに旅費が出ない場合です。ラボで例えると、学生の実験に必要な機材・器具・試薬の費用が、学生の自腹である場合と言っても良いかも知れません。

 ラボ・大学ごとの制度・状況・考え方があると思いますので、その良し悪しを一概に論ずることはできません。ただ、下記の3つを満たす場合は、大学内外の機密性が担保される窓口 (学生相談室、研究倫理相談窓口など) に相談することも考えて良いと思います。

  1. 教員から学会参加・発表を指示されたが、学会費用は自腹である
  2. 1の学会参加・発表を断れない。あるいは、断った場合に学生に不利益が生じる (例 実験できない、卒業できない)
  3. 1, 2の状況に疑問・不安・不満・負担・苦痛を感じている

 相談することは悪いことではありません。客観的な意見を貰うことで、問題解決につながったり、自身の考え方が変わったりするかも知れません。

3.学生自身の意志で学会参加・発表

 この場合は学会費用は自腹になることが多いと思います。会社員で例えると、有給を取って自己投資のための有料のセミナーに参加するのに似ています。

 もしその学会参加・発表が教員やラボの利益になると考えるなら、その意義を説明して参加費用を出してくれるように頼んでも良いかも知れません。教員がその意義を認めて費用を出すとなれば、上述した教員の指示で学会に行くのと同じ扱いになります。

 また大学や財団によっては、学生の学会発表に補助を出してくれる場合もあります。大学の学生課などに該当する補助や奨学金がないかきいてみるのも良いでしょう。これらの補助は教員の指示で学会に行く場合にも使えるかも知れないので、該当しそうなら教員とも相談しましょう。教員が手出しするお金が減るので、歓迎される可能性が高いです。

 注意点として、自腹で学会発表する場合でも、指導教員の許可は必要になります。会社員で例えると、自腹で参加するセミナーだとしても、会社の許可なく機密事項を話してはいけないのと同じです。学会発表する場合は必ず指導教員の許可を取りましょう。

4. まとめ

 この記事では、学生が学会に参加する際の費用負担について解説しました。「教員の指示で参加する場合」は、基本的に研究室や大学が費用を負担しますが、場合によっては学生自身で負担することもあります。「自分の意思で参加する場合」は、原則として自己負担となります。しかし、研究室や大学に補助金制度がある場合もありますので、事前に確認してみましょう。

 学会参加はお金が絡むのに、学生時代には分からない事も多いです。ですが学会参加は、研究者として成長するための貴重な機会です。この記事が、費用面で不安なく学会に参加する助けになれば幸いです。良い学会ライフを。

5. 参考記事

↑学生が学会発表を成功させるために必要な準備、心構え、そして発表後のフォローまでを解説した記事です。学会発表は、研究者として成長するための重要なステップです。この記事を参考に、ぜひ積極的に学会に参加し、自分の研究成果を発表してみてください。

↑学会参加のために出張する際の交通機関や宿泊先の選び方、研究費に関する注意点などについて解説した記事です。学会出張でよくある疑問や注意点について解説しています。

↑初めての海外学会や海外旅行で知っておきたいことをまとめた記事です。パスポートの準備、海外旅行保険への加入、現地での注意点など、基本的なことから現地で役立つ裏技まで、幅広く解説しました。

学会発表やプログレスレポートなど、研究の口頭発表で気を付けるべき点をまとめた記事です。スライドのデザイン、発表の仕方、発表に対する姿勢などを解説しています。

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