【まとめ】研究の口頭発表で気を付けるべきこと

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この記事は、学会発表・プログレス・ジャーナルクラブでの口頭発表で気を付けるべきことをまとめたものです。学生の指導用に作成したものに、加筆・修正して作成しました。

各項目は「私が今までに指導されたこと」や「書籍などで学んだこと」、「自身の経験をもとに考えたこと」です。スライドの具体的なデザインというよりは、口頭発表をする際の考え方・姿勢が多めです。

1. 全てのスライドは、題名・要約・背景・目的・材料・方法・結果・結論・考察・今後の予定のいずれかに分類できます。各スライドがどれに分類されるかを意識してスライドを作成・発表しなさい。聴衆が各スライドがどれに分類されるか容易に理解できるようにしなさい。

2. 過剰あるいは不十分な情報量は、聴衆の理解の妨げになります。聴衆が理解するのに過不足ない量の情報をスライドに記載しなさい。

3. スライド中の文字や図は可能な限り大きくしなさい。小さい文字や図はないのと同義で、有益でないだけでなく、有害にもなりえます。

4. 図は文字よりも多くの情報量を分かりやすく伝えることができます。文字での記載を図に置き換えられないか常に考えなさい。

5. スライドは「全体の構成」と「現在位置」が分かるように作りなさい。これらが分からない発表は、話の流れや集中すべき聞き所が分かりにくく、聞くのが辛いです。例として「目次を作り要所で示す (例 ここまで1章の話、次から2章の話)」、「スライドの総枚数と現在位置をスライド隅に記載 (例 5枚目/15)」など。

6. 学会発表の各スライドの最上段 (見出し) には手法ではなくメッセージを書きなさい (例 細胞増殖アッセイ→A群で細胞増殖が低下、遺伝子発現解析→B群でXX遺伝子が発現上昇)。 メッセージがきちんと書いてあれば、スライド中のグラフや図の意味が分からなくても発表の流れについていけます。

7. 他者の発表から多くを学びなさい。他者の発表を何も考えずにただ聞いていてはいけません。スライドの構成・レイアウト、話し方、質問に対する答え方など、学ぶことは多くあります。良い発表からは多くを学びなさい。悪い発表からは、自分が繰り返すべきではない過ちを学びなさい。

8. 発表では聴衆の利益を考えなさい。発表者の利益にしかならない研究発表や論文紹介をしてはいけません。

9. 発表原稿を作りなさい。自分が何を言いたいのかがクリアになります。ただし原稿を丸暗記して話してはいけません。書き言葉をそのまま音声にしても、聴衆に伝わりにくいです。原稿の内容を頭に入れて、聴衆に語りかける様に発表しなさい。

10. 口頭発表時のレーザーポインターはビシッと止めなさい。スライド内をふらふらしたり、図をぐるぐる囲むポインターは、聴衆がどこを見たら良いか分からないです。大事な図でポインターをビシッと止めて、聴衆の注目を集めなさい。

11. オンライン発表に備えて、LANケーブル経由でネット接続できる環境を整えておきなさい。オンライン学会では、Wi-Fiより接続が安定する有線の使用が求められる場合があります。普段Wi-Fiでネット接続している人も、LANケーブル接続の備えをしなさい。LANポートがないノートPCを使用する場合は、USB→LAN変換アダプタを利用しなさい。

12. Garr Reynolds 先生の発表や著作に触れて、良い発表とは何かを知りなさい。Reynolds 先生のプレゼンについての講義をオンラインで視聴したことがありますが、今まで見たプレゼンの中で最も印象的なものでした。

Videos — Garr Reynolds
Videos by Garr Reynolds on Presentation Zen, Storytelling, Visual Communication, TED Talks, Bamboo as metaphor for Resil...

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