倍速視聴についての本の書評を書こうと思ったら、脱線して説教じみたことを書いてしまった

雑談

『映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~』 (光文社新書) という本を読みました。倍速視聴という文化やそれが起こった背景などを解説・考察した本です。私自身は倍速視聴はしませんが、興味深かったです。

  • 現代の若者は消費すべきコンテンツが多いのに時間がない
  • 所属するコミュニティでの話題について行くにはコンテンツ情報を効率的に得る必要がある
  • ゆえに倍速視聴をする

ということだと理解しました。

私は年齢のせいか「倍速視聴してまで話題についていかなくても良いのでは?」と思う部分もある一方、特に若い世代にとってはコミュニティに所属することは非常に重要な事だとも思います。複数のコミュニティに所属していれば、各コミュニティでの話題も異なるので、情報を効率的に収集するために倍速視聴することになっても、さもありなんと思います。

倍速視聴の必要性は置いておいても、複数のコミュニティに所属することは年齢を問わず大事です。コミュニティの大事さについては、下記の動画がとても参考になります。

本の内容の本筋とは離れるかも知りませんが、現在はSNSが発達しているため、自分の「好き」という感情が表明しにくいという事が書かれていました。あるコンテンツが好きだと感じても、SNS上では自分以上にそのコンテンツにお金・時間・労力をかけている人 (本では「自分の上位互換」と記載) が容易に見つかるため、軽々しく好きを表明できないという訳です。

ここから先は持論ですが、自分の好きを他人と比べる必要はありません。年に1回ディズニーランドに行く人の好きと、毎週ディズニーランドに行く人の好きは、比べる必要はないし、比べる事は出来ません。好きという感情は極めて主観的であって大丈夫です。

好きという感情は、自分の人生の方向性を決める大事な要素になります。自分は何をするのが好きなのか、どんな食べ物が好きなのか、どんな時間を過ごすのが好きなのか、どんな人と一緒にいるのが好きなのか、その様な極めて個人的で主観的な感情が、進学・就職・結婚などの人生に置いて大事な決断をする時の判断基準になりますし、判断基準にするべきだと思います。

自分の好きという感情を他者と比べて劣っていると感じ、自分の好きに蓋をしたり見ない振りをしたり大事にしなかったりすると、自分の好きを忘れたり分からなくなったりします。それはとても悲しい事です。

自分の感情が分からなくなると、他人からの羨望や社会的な評価に基づいて人生の決断をしてしまう事になります。そうなると、自分の人生を生きることは難しくなります。

自分の好きという感情を大事にしましょう。金曜ロードショーでしか見たことのない映画も、数年に1回しか行かないディズニーランドも、子供の頃に家族で食べたのを思い出してたまに食べるびっくりドンキーのハンバーグも、それが好きという感情は尊重されるべきものです。何かを好きになれることは、それだけで偉大な才能です。

自分の好きをSNS上で声高く表明する必要は、必ずしもありません。自分の心の中に大事にしまって、時折取り出して眺めてニヤニヤしていれば良いのです。

そして人生の大事な決断をする時は、自分の好きという感情を大事にし続けられるような選択肢を選んだり作ったりすると良いと思います。自分の人生の正解は、結局は個人的で主観的なものなのです。

ふむ、私の元々の気質もありますが、歳を取るとなおさら説教じみた話をしがちになりますね。注意せねば。

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