超お手軽な家計把握方法2選 ~把握できれば改善できる、改善できれば管理できる~

生活

 以前、所属学会誌に「若手研究者のための資産形成術」 (実験動物ニュース 2023年 Vol. 72 No. 1, pp.25-29) という記事を寄稿しました。その際に書ききれなかった内容を補足記事その4として、ここに記載します。

 今回の内容は家計把握方法です。「若手研究者のための資産形成術」で具体的な家計把握方法について記載しなかった理由は、家計の把握だけでは直接的には資産形成につながらないからです。「若手研究者のための資産形成術」では直接的に資産形成に寄与する方法 (支出を減らす、投資で資産を増やす) の記載に注力したかったため、家計把握については触れませんでした。

 ですが、家計把握は資産形成を行うために必須かつ最も基本的な作業なので、解説したいと考えていました。本記事では、資産形成を行うために家計把握を行う重要性と、おすすめの超お手軽な家計把握方法2選を解説します。資産形成に興味がない人でも、家計を見直したいと考えている人は是非お読みください。

  1. 資産形成における家計把握の重要性
  2. おすすめ方法1: 全資産額把握法
  3. おすすめ方法2: 家計簿アプリ

1. 資産形成における家計把握の重要性  

 この記事では家計把握を「家計の収入・支出や黒字・赤字を把握すること」と考えます。資産形成においては家計把握が初歩の初歩です。家計を把握できていなければ、資産形成を行うことは難しくなります。ゆえに家計把握は超大事です。

  • 赤字を把握できていない→資産形成どころか家計の破綻につながる (資産形成どころではない)
  • 支出の内訳を把握していない→無駄遣いや不要な出費に気付けず、投資のための種銭を貯めるのが難しくなる

 家計把握の第一歩は、「家計が黒字か赤字かを知る」ことだと思います。そんなの当然知っていると思うかも知れませんが、よくよく家計を見直すと長期的 (年単位) には赤字となっていることはありえます。例えば、貯金がゼロの場合は赤字になると支払いが滞るので必ず気が付きます。ですが、ある程度の貯金があると、赤字家計で貯金が少しずつ減っていっても案外気が付かないものです。

 もう一歩進んだ家計把握は、「支出の内訳を知る」ことです。自分が何にいくら支払っているかが分からなければ、無駄な支出に気付けません。これでは貯金もできません。

 下記のおすすめ家計把握方法は「家計が黒字か赤字かを知る」と「支出の内訳を知る」に役立つ方法です。

2. おすすめ方法1: 全資産額把握法

 1つ目のおすすめ方法は全資産額把握法です。さっき名付けました。

 具体的な方法は、「1~2回/年の頻度で自分の全資産額を計算する」です。全資産とは、財布の中身、銀行口座、株・投資信託など、金額として計算できる資産の全てです。大型家電、車、家を持っている人は、その時点で売却額を計算して、資産額に入れましょう。ただ株・投資信託と異なり、正確な売却額を知るのは難しいと思うので、Amazon・メルカリ・中古車サイト・同条件の物件価格を参考に、適当に見積もって良いと思います。作業は以上です。1時間もあれば完了するので超簡単です

 全資産額を把握したら、半年~1年後にもう一度同じ作業をして全資産額を把握し、前回の額と比較します。その際に、増えていたら (黒字だったら) まずは安心です。このまま同じ生活を続けていても、経済的に破綻はしないかなと判断できます。逆に全資産額が減っていたら (赤字だったら) 家計の見直しが必須です。後述のおすすめ方法2を利用するなどして、無駄な支出がないか探しましょう。  

 注意点として、株・投資信託の評価額は半年~1年で変動することは珍しくないことが挙げられます。なので、全資産額を把握した時で赤字になっていたとしても、株・投資信託を資産として持っている場合にはその価格変動による可能性を考えましょう。長期 (15年以上) でみれば価値が上昇していく良質な株・投資信託であっても、短期 (数年以内) での価格変動は起こりえます。株・投資信託の価格変動で説明できないほど全資産額が減っている場合は、繰り返しますが家計の見直し必須です。

2. おすすめ方法2: 家計簿アプリ

 2つ目のおすすめ方法は家計簿アプリです。家計簿アプリは、クレジットカードや銀行口座を登録しておけば、自動で支出・収入を入力して家計簿を作成してくれるアプリです。家計簿なので、もちろん項目毎 (食費、光熱費、娯楽費など) に分類することも可能です。

 家計簿アプリの利点は自動入力・自動計算されることです。紙の家計簿の様に自分で記入して、項目ごとに集計する必要はありません。月ごとの支出を項目ごとにグラフで比較するなんてこともできます。マジ便利です。私も紙の家計簿を何度かトライしましたが、どのトライも1ヶ月経たずに断念しました。個人的には、家計簿の入力を楽にするためにも、日常生活では可能な限りクレジットカードや電子マネーでの支払いすることをおすすめします。持ち歩く現金も減って財布もスッキリします。

 やむを得ず現金で支払った場合は自動入力できませんが、家計簿アプリの中にはレシートをスキャンして入力してくれるものもあります。その点でも紙の家計簿より圧倒的にラクです。

 家計簿アプリを利用して毎月の支出を把握できるようになったら、各項目を眺めて無駄な支出がないか探してみましょう。「若手研究者のための資産形成術」でも書きましたが、「現在の生活の質をほとんど落とさずに,毎月必ず発生する固定費の額を減らす」ことから考えるのがおすすめです。保険・スマホ・マイカーの見直しは効果的です。

 私が利用している家計簿アプリはZaimMoneytree です。色々な家計簿アプリがあるので、いくつか使ってみて自分に合うものを見つけてみましょう。

 劇場版のまどマギでキュウべえが「観測さえできれば干渉できる。干渉できるなら制御もできる。」と言っていました。皆さんも全資産額把握法や家計簿アプリを利用して、家計を観測 (把握)、干渉 (改善)、制御 (管理) しましょう! えっ、家計とまどマギの話は関係ないよね!? キュウべえの名言を紹介したかっただけだよね!?

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